たまに山南さんは自然を観察しているけど、その観察力と言ったら私でも頭が上がらない。 山南さんは今、何を考えているのだろう。 山南さんが私を見る目は全てを見透かすようで恐ろしい。 「鈴木さん、大丈夫ですか?」 『あっ……はい、大丈夫です』 「そうですか……。大丈夫ですよ」 彼が去り際に私にしか聞こえないように言った言葉に心臓が大きく脈を打った。 やっぱり。山南さんはわかってるんだ。