名前を呼びながら和室を開けた。


その瞬間。


見知らぬ数人の男性が沙良の上に覆いかぶさっているのが見えた。


沙良は口をふさがれていて声を出せない状態だ。


「チッ」


男の誰かが舌打ちをして沙良から手を離す。


途端に沙良が甲高い悲鳴を上げた。


その悲鳴で我に返り、沙良に駆け寄った。


「沙良、大丈夫!?」


その体を抱きしめると、沙良は震えながらも頷いた。


衣類に乱れはなく、怪我をしている様子もない。


その事にホッとしたが、それもつかの間だった。


男の内の1人はミズキさんに暴行していたあの男だったのだ。


きっと、この男が自分の仲間を呼んできたんだろう。