親しい間柄の中にあるのは……愛情。 ――つまり 酔った裕治くんは……彼女と間違って私を抱きしめた。 ただの酔っ払いの勢いだった。 その事実を知って悲しさよりも、何故か安堵する自分がいる。 失敗して真っ黒になったスポンジケーキみたいに、黒い塊が胸に広がるそんな気分だった。