会計を済ませて、外へと出ると裕治くんのスマホが鳴り響く。

画面に表示された名前を見て、裕治くんの表情が引き締まるのがわかる。


「今日はありがとう。お仕事、頑張って」

「ああ。じゃあ、明日の夜な」


そう言って、小さく手を上げて背を向けて電話しながら歩き出す。

そんな後ろ姿を見つつ、深呼吸をする。

予想外の出会いに、明日の予定。

久々にこんなにドキドキして、おかしくなりそう。

明日は今日みたいなヘマはしないで、オシャレして行かなきゃ。

気分が軽くなっていくのと、顔が自然と緩んでいくのがわかる。

今日はなんだか、いい日なのかもしれない。

prunelleに行って、壱目さんに自慢しちゃおう。

タイミング良く来たバスに乗り込み、商店街へと向かう。

窓の外からキラキラ差し込む光に目を細めながら、収まらない私のこの気持ちを乗せてバスは進んで行った。