テレビでは昼間のニュース番組が放送されていて、あたしはそれをラジオ代わりに聞いていた。


昨日あんな事があったのに、いつものようにテレビを見てご飯を食べれる自分に驚く。


昨日は晩ご飯だって食べられなかったのに、眠ってしまえば簡単にリセットされる。


「ごちそうさまでした」


あたしは1人でそう言い、お弁当箱を洗って片付けた。


時刻は2時が近い。


3時半になれば学校は終わり、みんな下校を始めるだろう。


そう思い、あたしはペロリと舌なめずりをした。


軽い歩調で2階へと向かい自室のドアを開ける。


開けた瞬間、液体の上に転がる陸人の顔が見えたきがしたけれど、すぐにそれをかき消した。


大丈夫。


今度は失敗しない。


複製した生き物が溶けはじめるのは2時間後だ。


それさえ記憶していれば大丈夫だ。


あたしはスマホを取り出して電話番号を打ち込んでいった。


以前友達と悪ふざけで電話をしてテレクラの番号だ。