「彼方、一位って……」 「ん、頑張った」 その瞬間、わらっとクラスのみんなが彼方の机を囲んだ。 「一色お前一位とかすっげーな!」 「最近本当にどうしたんだよ!」 「一色くん凄い! ねぇ今度私に勉強教えてよ!」 「あ、私も私も!」 凄い凄い、口々に言われる言葉。 まるで昔の彼方のような…… 昔、の…… 「──……ぁ」 まずい。ダメだ。それはダメだ。 彼方にその言葉はダメだ。 「彼方……!」 今、彼方を守れるのは私だけだ。 私が彼方を守らないと。 私が……!