パッとすぐに、気恥ずかしそうに顔を背ける彼方。

すると鬼龍院くんは……


「い、一色クン……っ!!」


ぱああっと、これでもかというぐらい顔をきらめかせた。


「ではありがたくいただこう! 僕、今飲み物の中でココアが一番好きになったよ!!」

「ふふっ、彼方が買ってきてくれたココアあったかいね」

「ああ! 一色クンが買ってきてくれた温かいココアが心に染みるよ!!」

「ふ、二人とも、なんか恥ずかしいからそういうのやめてっ」

「彼方が買ってきてくれたココア美味しいね!」

「一色クンが買ってきてくれたココアが凄く美味だ!!」

「だからやめてってば!!」


こうして、最終的には三人で温かいココアにほっと息をつき、学校へと向かった。



学校へつくと、もういろんな生徒がザワザワと最終調整といった感じで、屋台だとかお店の様子を見て回っている。


校門にはバルーンのついた豪華なアーチが私たちを出迎えてくれて、その下を三人で通り過ぎた。







──さあ本日は、待ちに待った文化祭だ。