「どうした星嶋ぁ! 先生の言う事が聞けないのかぁ!?」


ただ1人、今でも廊下に立ったままのネネを見て先生は言った。


「ネネ! 教室へ入って!」


小林梨央(コバヤシ リオ)が声をかける。


けれどネネはその場から動けないままだった。


体が固まってしまっているのだろう。


「星嶋!」


和が席を立ってネネを迎えに行こうとした時、チャイムが鳴りはじめた。


先生の顔色が代わり、それを見た和が大人しく席へと戻った。


「星嶋ぁ! 先生の言う事が聞けないのかぁ!?」


さっきと同じフレーズを言った直後だった。


ネネの体が小刻みに痙攣し始めたのだ。


それは徐々に大きくなっていき、ネネの顔や足や手に小さな亀裂が見え始めた。


「なんだよあれ……」


廊下側の席の悠が呟く。