投票時間まであと5分だ。


「意味わかんないんだけど」


彩が大きくため息を吐き出す。


晴哉はその態度が気に入らなかったのか、顔を真っ赤にして近くにあった椅子を両手で持ち上げた。


「あたしを殺す気? それなら投票でやったら?」


「黙れぇ!!!」


晴哉が叫び、彩へ向けて椅子を振り下ろした。


ガンッ!という音が響き、綾の机に椅子がぶつかる。


彩は寸前のところで机の下に身をかくしていた。


「やめろよ2人とも!」


大和が叫ぶが、2人の耳には届かない。


机から出て来た彩が同じように椅子を振り上げた。


「ダメだ。俺たちはとにかく投票をしよう」


投票時間まで残り3分になっている。