「あ~俺今日眠れないかも!」



校内で一番浮かれてんのはコイツかも。侑汰。



「なんで」


「明日が花火大会だからだろーーーー」


「小学生か」


「つーか、翔こそなんか落ち着かねーじゃん?明日のこと考えて、ソワソワしてんじゃねえのぉ~?」



俺の気も知らないでのん気にそんなこと言う侑汰に軽くカチンとくる。



「脳内花畑のオマエとはちげーんだよ」


「なんだよそれ」


「お前は明日のキスのことでも考えろって」


「なっ……!!!」



幸せそうな侑汰とこれ以上話していると、もっとモヤモヤしそうで、俺は席を立った。


そのまま廊下へ出ると。



「……っ。悪ぃ……」



誰かとぶつかりそうになり謝ると、その女は驚いた様な目で俺を見上げていた。


……ん?誰だ……?



「あ、青山くんッ……。あたし、5組の松島里奈って言います」


「……は?」