そう考えていると、次々と料理が運ばれてきたので驚いた。


プロ顔負けの料理の数だ。


なるほど。


これなら相手を家に呼ぶのも納得できる。


マイって子は自分の料理の腕をアピールしたかったようだ。


タチバナはその料理を食べて頬を緩ませている。


マイもまんざらではなさそうな表情を浮かべている。


この2人が付き合い始めるのは時間の問題かもしれないな。


そう思った時だった。


さっきからサキが浮かない顔をしていることに気が付いた。


みんなの会話にも入ろうとしないし、1人だけずっとテレビを見ている。


時々ユウセイが声をかけると、その時だけ返事をする感じだ。


大勢が集まっている中で空気を乱すような事をする子じゃない。


なにかおかしい。


サキの様子をずっと観察していると、タチバナを1度も見ていないということがわかってきた。