俺は驚いてユウセイを見た。


ユウセイはいつでもサキを最優先にさせ、サキを視界に入れている男だと思っていた。


だけど、どうやらそれは俺の勘違いだったようだ。


ユウセイは今、サキよりも自分の両親を優先させている。


この状況でサキがいきなり『お腹が空いたのでなにか食べてもいいですか?』なんて、言い出せるわけがないのに。


俺はヘラヘラと笑っているユウセイを見て歯ぎしりをした。


俺ならサキにこんな暗い表情なんてさせない。