休日にはユウセイの両親がこの家を訪れていた。


穴から見るユウセイの両親はとてもおしゃべりで、自分の息子の事を大切にしているのがよく分かった。


しかし、2人が話す内容はどれもユウセイにしかわからないものばかりで、サキの表情がどんどん暗くなっていくのがわかった。


どうしたんだろう?


会話についていけないくらいで、こんな表情をするサキではない。


毎日穴からサキを見ることで、サキの性格もある程度知っているつもりだった。


サキは自分のわからない話題でも笑顔で聞き、時々質問をして詳細を教えてもらうような子だった。


だけどこの日はどこか様子がおかしかった。


そういえば、ユウセイの両親が来ると言う事で、いつもの料理だって頑張っていたようだ。


だけどその料理がリビングに運ばれてくる様子はない。


ユウセイの両親はなにか食べてきたのかもしれない。