颯来「桜海、君はこの世にいちゃいけない存在なんだ」




『………』





颯来「なーんかね?俺はそんな事どうだっていいんだけど俺の中の風神が言うんだよ。“香月桜海を殺せ”って」





“俺の中の風神”……鸞さん的存在か。





『何で風神はそんな事を?』





颯来「それは教えられない」





『秘密主義なんだね』





颯来「別にそんなんじゃないよ。



言っていいことと悪いことがある。俺はこの件を言って悪い事と判断したまでだよ」





『ふーん。』





颯来「今は殺すつもりないけど。




そんなことよりさ!!最近不幸な事が起こったりしなかったぁ?ふふっ」





“そんな事”扱いかよ





『あり過ぎて忘れた』




颯来「それ全部俺〜〜♪



いつもは迷子にならないのに迷子になったり、崖から突き落とされたのも、やたらとドジったりしたのもぜーーーんぶ俺のせい!!





ただ弄んでただけなんだけどね?(笑)」





『すんごい迷惑だったよ』






颯来「へへ〜っ」





ムカつく野郎だ。
何で私は私を消そうとしてる奴と呑気に会話なんかしているのか。何故こんなにも冷静でいられるのか……





本能的に終わりを覚悟している?
それとも彼の言う通り、私は私がこの世にいてはいけない存在だと認識しているからなのか?





あーぁ……もう疲れた。
最近思う。





何で私は普通の女の子に生まれなかったんだろうって。
そしたらこんなにも人を殺めたりしなかったのにな、なーんて。虫のいい話だよね。






そうだ。後者だ。
私は私がこの世にいてはけない存在だって認識しているんだーーーーーーー