「そ……んな……」


ようやく出た言葉がそんな情けない言葉だった。


蓮はずっとあたしと一緒にいてくれた。


どうすればいいか、一緒に考えてくれた。


あれも、これも、全部が演技だったの?


「草刈高校は大きな力で包まれている。警察や政治家も関わっている日本一大きな闇にだ。《イジメ.com》の報酬がでかいのは、そのせいだ。そして《イジメ.com》は大きな闇の中にいる人たちを楽しませるために存在している」


立石先生がよどみなく説明する。


大きな、闇の力……。


いざとなれば由梨は自首すればいいと思っていたけれど、警察内にも関係者がいるのならどこにも逃げ道はない。


大きな闇はどうあがいてもあたしたちを解放してはくれないのだ。


絶望が周囲を包み込む。


どこにも逃げ道はない。


あたしも由梨も、入学した時からモルモットなのだ。