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あたしがぼんやりしている期間、蓮が何かコソコソと動いていることには気が付いていた。


あたしが何もしないから、蓮がこっそり行動を始めているのだ。


蓮のことだからきっとあたしを助けようとしてくれているのだと、すぐに理解した。


でも、あたしを助けると言う事は、由梨を傷つけるということだ。


それに気が付いたあたしは学校へ行く前に由梨の家に立ち寄るようになっていた。


常に由梨と一緒にいれば蓮だって手出しできないハズだ。


あたしにとって、由梨にとって、蓮にとって、なにが一番いい選択なのかあたしはいまだにわからなかった。


由梨とずっと一緒にいると、あの日心に決めたハズなのに……。


この日も、あたしは由梨の家に向かっていた。


いいタイミングで由梨が出てくれば一緒に学校へ向かう日もあった。


今日はどうだろう。


そう思って歩いていると、由梨の家の前に黒い車が複数泊まっているのが見えて、あたしは足を止めた。


車の中にも外にも、黒いスーツを着た男たちがいる。