そう言われて、あたしは菜々花の様子を思い出していた。


まるで生きた屍のように暗い顔をしていて、髪の毛だってちゃんととかされていなかった。


あんな状態で学校へ来られること自体が不思議だったんだ。


「なぁ里佳。ちゃんとミッションの事を考えてほしい」


真剣な表情でそう言い、あたしの手を握りしめて来る蓮。


その手の温もりにドキッとする。


できればあたしはこの生活を手放したくない。


蓮と、ずっと一緒にいたい。


そのためにはミッションを成功させる必要がある。


「……わかった」


あたしは覚悟を決めて、そう答えたのだった。