ここは森を抜けるよりも、ここで鬼ごっこ状態の方があいつに取っては不利益だ。
森を抜けてしまえば上空から狙いやすくなる。
どうにかしてあの体を止めることができれば。
頭を使うのよ、千代。
確か嘉さんはあの額に向かって攻撃していた。
あそこがあいつの弱点だと知って、嘉さんが攻撃していたなら。
なら、私だってやってやる!!
わざと狭い木々の間を通り、鳥はその木々の枝に身を挟め動きが鈍る。
その隙を見て、近くにあった拳サイズの石を額目掛けて力強く投げる。
「ギェエーー!!」
見事額に命中した石は、鳥の額にヒビを作った。
見たか!!私だってやればできるんだからね!!
同じように何度か繰り返すと、鳥は動きを鈍くしその距離を離して行った。
よし、あとは森を抜けたらひとまず隠れて……!!



