手についた汚れを払いながら、降りてきた塀を見上げる。
随分と高い所を降りたもんだなあ……あっぱれ、私。
なんて自分を褒めてる場合じゃない。
一刻も早く街へ行かなくちゃ。
そう思って立ち上がろうとしたその時だった。
「ヒェヒェ!!!」
はっと上を見上げれば、見覚えのあるあの骸骨の鳥。
宙返りをしながら大きな声で鳴き、その体から怪しげな音を響かせる。
見つかった……!!
そう思うよりも早く体は動き出していた。
森へと駆け込むと、後ろから鳥は追いかけてくる。
上手い具合に木々を利用して、距離を縮められないようにと走る。
そんな私の考えもお見通しなのか、ぐんぐんと速度を上げてくる鳥に歯を食いしばって全力で走る。
ここまで来たんだから捕まってたまるもんですか……!



