「昨日から妙に何かの気配を感じてはいた。だが、童が家を離れてからその気配が消えた」



え?待って、私がもしかして原因??


また私何かやらかしてた?!


ビックリした顔で嘉さんを見るけれど、嘉さんは気づかないで話を続ける。



「学校とやらに行ってはみたが、あそこは何やら妖気に似た何かが渦巻いてる。童の帰りを待って、乗り込んでみたら式神が忍び込んでいた」


「式神か……」


「大した奴じゃない。ただ何かを探るためにいるような気がしてならん」



確かに呆気なく終わった戦いだった。


でも、あんな場所に妖がいるなんて……不思議でしょうがない。



「千代、怪我はなかったか?」



隣に座る伽耶ちゃんがそっと私の背中を撫でた。



「うん。大丈夫」


「しかし……式神か。なぜ下界にいるのか」


「詳しく調べてみる必要がある。童」



呼ばれて向かいに座る嘉さんを恐る恐る見る。