一瞬テレビに映った私の学校は特に何も被害が出ていない。


学校からの連絡も特に入っていないから……大丈夫だとは思うけど。



「嘉」



立ち上がったままテレビを見続けている嘉さんに座れと促すように、落ち着いた声で伽耶ちゃんが嘉さんを呼ぶ。



「昨日何かあったのだろう?」


「……ああ」


「何があった」



そう聞かれて嘉さんはすとんと座り食事を再開する。


その嘉さんの姿を見て、私も同じように口を動かしてご飯を飲み込んだ。


キューと鳴きながら、鬼毅牙の月(ツキ)が膝の上に乗ってくる。


私が家にいる時はずっとベッタリな月は、今日はどこかそわそわしている。


この空気に落ち着かないでいるんだろう。