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ふわりふわりと行きとは違ってまったりと社へ戻ってくると、失敗しないで着地が出来た。


空の旅が楽しかったのか、鬼毅牙は興奮を抑えながらも私の頭の上でぽふぽふと手を動かしていた。


そっと地面に下ろしてあげると、私の事を見上げて両手を上げる。



「待ってて、また後でね」



言葉を理解した鬼毅牙はコクコクと小刻みに首を縦に振った。


伽耶ちゃんが地面に何かを書き始めると、ゆっくりと光の粒が集まってくる。



「蛍みたいだね」



ぽつりと呟いた言葉が、ゆっくりと光に吸い込まれていくようなそんな気がした。


読めない字をつらつらと書き、五角形を綺麗に描くと上手く書けたのか満足そうに頷く伽耶ちゃん。


懐から何やら一枚の細長い紙を取り出すと、書いたもの目掛けて投げ入れた。


青白い光が書いた線から溢れ出てくる。



「千代」



伽耶ちゃんが私に向かって手を差し出してきて、そっと手のひらを添える。


引かれるようにその光の中へと入ると、自分の体がキラキラと輝く。


向き合うようにして伽耶ちゃんが私の前に立つと、そっと目を閉じた。



「暖かく……そして優しい」


「伽耶ちゃん?」


「――開花!!!」



押されるように胸を急に押されると、体の内側から熱く何かが溢れてくるような感覚に私の鼓動が速くなる。