あれから4日後。

季龍さんは約束通り外出禁止をなくした。

その日は丁度金曜日で、久々に学校へ登校することになった。

外出禁止がなくなったとは言え、まだ警戒する時期なのか、梨々香ちゃんも車で送り迎えらしい。

私と季龍さんも信洋さんの運転する車に乗り込んで学校へ向かった。久しぶりの制服にそわそわして、季龍さんに視界を塞がれるのにもドキドキした。

そうなったのも、この頃季龍さんがおかしいから。顔を会わせる度に話しかけてきたり、奏多さんや暁くんに抱きついているとどこからともなく現れて、話しかけに来る。

初めは偶然だと思ってたけどそれが3回も4回もあれば流石におかしいと思い始め、信洋さんにこっそり聞いたら気持ち悪い笑顔が返ってくるだけだった。

「琴音、離れんな」

そして今も、何となく座る位置をじりじりずらしていったら強い力に引き寄せられて元の位置に逆戻りした。

何かが変だ。でも、それがわからない。

もやもやしていると、車は止まり目を覆い隠していた手は離れていった。

反対のドアから降りていく季龍さんにあっけなくドアを閉められる。

諦めて窓の外を見て違和感に気がついた。