次の日、目が覚めると結構静かなことに拍子抜けした。もっと騒がしくて途中で起きるかと思ったけどそんなことなかったな…。

琴音も朝まで起きなかったのか、一応何かあったらと思って繋いどいた手もそのままだった。

「おはよう、暁」

「おはようございます」

先に起きていたらしい奏多さんはもう着替えも済んでいて、罪悪感を覚えながら起き上がる。

「あ…。あーあ。起きちゃった」

「はい?」

奏多さんの苦笑いに何だと思った次の瞬間、右手を捕まれて弾かれたように視線を向ける。

目を覚ました琴音に手を捕まれたらしい。…さっきまで寝てただろうが、なんで起きたこいつ。

「…ぁぅ」

「こら、寝てろ」

「暁、違うって。琴音ちゃん、暁がどっか行かないようにしてるだけ」

「え?」

何を思ったか起き上がろうとする琴音の頭を押して布団に押し戻そうとしていると、奏多さんの言葉に思わず止まる。

その間に起き上がった琴音に抱きつかれた。