「…ぁ」 「琴音?」 不意に聞こえたかすれた声に視線を戻すと、起きたらしい琴音が訳のわかってねぇ顔で俺を見る。 とりあえず近づくと、頭を撫でてやる。 「全部終わった。怪我人もいない。だから、ちゃんと休め。風邪引いた奴台所に入れねぇから」 「…コク」 終わってはいないけど、琴音を安心させるためにはつかなきゃいけない嘘だ。案の定琴音は簡単に頷いてホッとした顔を見せる。 早く寝ろと言いながら頭や頬を撫でていると、不意に目を閉じて寝た。 その後、奏多さんも戻ってきて、布団を持ち込んで寝た。