教団から降りて、私の元へとゆっくりとやってくる。


止まらない涙を彼がそっと拭った。


ひんやりとしたその手。


大好きなこの香り。


懐かしいこの感覚に、胸が高鳴る。



「……ウィリー……」



分からないけど、なぜかそうぽつりと呟く。


すると彼はにいっと口角を上げて、楽しそうに私を見た。



「待たせて悪かったな。もう一度俺に惚れさせてやるから覚悟しろよ。――俺の主様」



そういって私を抱き上げると、強引に私にキスをした。


幸せの涙が一つ流れて、甘い甘い魔法にかかったようなそんな気がした。