会ったことも、会話したこともない。 それなのに国王は母の名前を知っていた。 「当たり前だろう?愛おしい我が子だ」 「え……」 「私の犯した過ちを許してほしい。……なんて言った所で出来た傷を癒す事はできないのは分かっている。でも、あの頃の私ではどうにもできなかったんだ。辛い思いをさせて本当にすまなかった」 深々と頭を下げられて動揺するしかない。 だって国の一番偉い人が、こんなへっぽこに頭を下げるなんておかしいったらありゃしない。 慌てふためいてどうにかこうにか頭を上げてもらう。