わあぁ……!と歓声が大きくこだまして聞こえてくる。


全ての国民がここ――城の外に設置されている闘技場に集まるんだから無理もないか。


闘技場の中へと続く通路で、私は口から心臓が出そうな程の緊張を顔に出さないように必死に冷静さを装っていた。


ざわざわと自分の順番を今か今かと待ちわびる人達に紛れるように、私の隣にはウィリーが立っている。


いつもならこのイケメンオーラに誰しもが目を引かれて、注目を集めるはずなのに誰一人としてウィリーに気づかない。


なんかちょっと悔しいような、ほっとするというか。


ちらっと横目でウィリーを盗み見ようとしたけど、私の視線に気づいたウィリーと目が合う。