静寂な夜が私を迎えた。 何事もなかったように時は流れていた。 荒れ果てた大地は元に戻っている。 虫の音が耳をくすぐった。 膝の上にいるウィリーをぎゅっと抱きしめた。 冷たいその体に視界が歪む。 ねえ、ウィリーなんで私を庇ったりしたの? 「……また一人になっちゃったじゃん」 呟いた声がやけに大きく聞こえた。