ゼナウスも光に包まれると光の粒となって風と共に流れていった。
パラパラと降り注いでくる空間を守っていた結界の破片がウィリーの体に吸い込まれていく。
ふわっと精霊達が私の元から離れたかと思うと、精霊達も光の粒となって私の中へと戻った。
終わった……終わったんだ。
手に感じていた温もりが徐々に消えていく。
「お母さん……」
その手をぎゅっと握ろうとしても、私の手は光の粒を握るだけ。
優しく微笑んで、私の頬を撫でる。
――愛してる。
そう聞こえた気がした。
そっと一粒の涙が頬を伝い、母の体は消えていった。



