夜風がそっと吹き抜けていく。 その風と共に聞こえてくる旋律。 懐かしいような、心地いいようなそんな旋律。 考えるよりも先に口ずさんでいた。 すると月明かりが輝きを増す。 「……!?やめろ!!その唄を歌うな!!」 リックが苦しそうにもがきながら、私の元へ近づいてくる。 もう何も怖くない。 私はこの唄を奏でなければならない。