気づいたら私の周りを囲むように結界が張られていた。
何がどうなってるの。
私から溢れ出す光がウィリーに吸い取られていくのはなんで?
この光は一体なに?
自分の手を見つめていると、ドンッと何かがぶつかり合う音が響いた。
はっと音のする方を見れば魔力と魔力の激しい渦がウィリーとリックの間で衝突し合っていた。
「なによ……これ」
絵でしか見たことのない悪魔。
そして計り知れない魔力で発動された魔法。
見たこともないこの光景にただ私は黙っていることしかできない。
習ったことも聞いたこともない魔法が次々と繰り出される。
あれだけの魔力を使ってるっていうのに、どちらも息を切らすこともなく集中力を切らすこともない。
こんな事になってるっていうのに学校の人達も街の人達も気づかないなんて。
二人から視線を外し、辺りを見渡すと空気が揺れた。
私だけじゃなくウィリーはこの見えない空間に結界を張ってるんだ。
これだけのことをやってても同時に攻撃魔法まで発動させて、リックよりも圧倒的にダメージを与え続けてる。
この勝負……勝ちはもう決まってる。
でも何か引っかかる。
この胸騒ぎは一体……



