ウィリーはリックのこと知ってたの?


最初から?


だから友達が出来たって言っても喜んでくれなかったの?



「……本当のことを……真実を教えて」



勇気を出して声を絞り出す。


ウィリーの羽がピクリと反応する。


そして意を決したかのかウィリーがゆっくりと真実を告げた。



『……こいつの狙いはお前の力だ』


「え……?」



思いもよらないその言葉は意味が分からなかった。


生まれてすぐに魔力を奪われて呪いをかけられ、いくつもの残虐な罰をこの身で受け続けてきた。


それは私に力がない上に、平民の生まれなのに王家の血筋を継いでしまったから。


私に魔力は一切ない。


それなのに私を狙っていると告げたウィリー。


一体何回頭を使えばいいの?


こんな私に力なんてないのに、狙われてる?



「馬鹿には理解できてないみたいだな。ま、それはそれでありがたいんだけど」



嬉しそうな声でリックがやけに大きく響いた気がした。