本当に……“彼”なの?


私の知ってる“彼”なの……?


でもなんでウィリーのこと知ってるの?


だって何も知らないよね?



「リック……?」



そう名前を口にするとリックが笑い出した。


訳が分からない。


何がどうなってるの?



「その馬鹿をちゃんとしつけた方がいいんじゃないか?なあ、リーシェ」



名前を呼ばれただけなのに背筋がゾクッと凍った。


でも明らかにリックの様子がおかしい。


張り詰めていくこの空気に耐えながら、ただじっとリックを見つめていることしかできなかった。