徐々に風は弱まっていき……現れた人物。


ザッと音を立てて構えたウィリーにその姿が見えなくなる。


でもちゃんと見えた。


あそこにいたのは紛れもなく――



「なぁーんだ。あっさりと帰ってきちゃったか、つまーんない」


『まんまと罠に引っかかったが俺の力舐めすぎてたんじゃないのか?――リークバント』


「正体もバレてたってわけ。流石だね」



聞き覚えのある声なのに、どこか棘のある声。


優しく私に色々教えてくれてたのに。


皆の輪の中にも入れるようになったきっかけ作ってくれたのに。