そんなドラゴンのスピードにウィリーが勝てるわけもなくて。


スレスレの所でなんとか少しの距離を保ってる感じのこの状況。


口を開けてそのまま飲み込まれそうな勢いに、私は呆然とする。


恐怖と驚きでもう訳わかんない!


もうどうにでもなれ!!


いや、なっちゃダメ!!!!


ふぁあ!もうこんなのやだぁ!!


ウィリーの首に顔を埋める。


もう何も見ないんだから!!


でも見なくてもすぐ目の前にドラゴンがいるのが分かる。


分かっちゃう!!



「やぁだぁああ!!あっち行ってよぉ!!」



取り乱す私をなだめるように、ウィリーは私を強く抱き抱える。


ドラゴンの鼻息を感じた次の瞬間。


ドンッと衝撃音が鼓膜に響くと同時に、ねっとりとした感覚。


え、もしや私達食べられた……!?