何かがねっとりとまとわりついたようなそんなような感覚。
それに少し吐き気を覚えるけど、ウィリーがそっと支えてくれて気が紛れた。
髪がごうごうと唸る風に暴れる。
一体何がどうなってるのか……
ちょっとした興味で目を開ける。
「っ!?!?」
見た光景に息を呑む。
一体ここは……どこ?
真っ赤に染まるドロドロしたマグマのような大きな川。
そこから感じる微かな熱。
川を守るようにして鋭い目で私達を見つめる大きな獣のような何か。
見たことも聞いたこともないこの光景に体に力が入る。
『驚かせてすまない。あの空間は移動魔法が制御されててな。ちょっと魔界を迂回しないと外に出れない状態なんだ』
ま、魔界……
つまりここは、ウィリーが元々いた世界。
こんな綺麗な人がこんな場所に住んでたの?
物件悪そうな所にしか住めなさそうじゃない。
ぶわっと急に熱風が頬を伝う。



