すぐ近くにウィリーがいる。
それだけでもう心臓がおかしくなっちゃう。
ドキドキと脈打つ鼓動がどんどん早くなる。
『怖がらせたくなかったんだ。この姿を見てそういう反応が返ってくるって分かりきっていたからな』
違うんだよ、ウィリー。
ちっとも怖くなんかない。
私だって醜い姿をしているんだよ本当は。
それでも受け入れてくれたように、私だってウィリーの本当の姿を受け入れる。
ウィリーは怖くなんかない。
私にはあなたが一番かっこよくて、大好きな存在なんだから。
そう思ってはいるものの、言葉が出てこない。
いつもなら普通にしてた会話ができない。
いつものことなのに凄く緊張してしまう。
体が熱い、胸が締め付けられる。
……これが恋っていうものなの?
全然わかんないよ。
おとぎ話の中でしかそんなの見たことないもん。
醜いお姫様が王子と幸せに暮らすなんて物語なんてないもん。



