バチバチとまだ微かに放電しているのか、その音が教室に響く。


ゆっくり目を開け、目に入ってきた光景に思考が止まった。


真っ黒な羽に額から生えた角。


頬に刻まれた黒い刻印。


鮮明な血のように真っ赤な瞳。


それは紛れもない彼。



「や、やめてくれ!い、命だけはっ!!」



そう泣き叫ぶような声をあげるのは、シャツを着ていた人のもの。


鋭い爪を高く持ち上げ、楽しげに口角を上げる。


そして……急に真っ黒になる。