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じっと床を見つめ、ゆっくりと流れる時間を感じながらこの後どうするかを考える。
私の前にいるウィリーの香りが鼻をくすぐって、少しだけ落ち着いた。
「今まで……黙っててごめん」
こんな私だって知ったら、悪魔だって驚くよね。
何も言わないウィリーだけど、言わなくても分かるよ。
小さい頃に力のコントロールができなくて、人前でこの姿を晒しちゃった時もそうだった。
信頼してた子が顔色を変えて逃げていく姿を、私は見ていることしかできなくて。
そこから噂は広まって、怪物だのなんだのって言われるようになって。
孤児院を転々としてきたけど、どこも長くいれなくて。
でも王の目が届く範囲からは抜け出せなかった。



