*****

じっと床を見つめ、ゆっくりと流れる時間を感じながらこの後どうするかを考える。


私の前にいるウィリーの香りが鼻をくすぐって、少しだけ落ち着いた。



「今まで……黙っててごめん」



こんな私だって知ったら、悪魔だって驚くよね。


何も言わないウィリーだけど、言わなくても分かるよ。


小さい頃に力のコントロールができなくて、人前でこの姿を晒しちゃった時もそうだった。


信頼してた子が顔色を変えて逃げていく姿を、私は見ていることしかできなくて。


そこから噂は広まって、怪物だのなんだのって言われるようになって。


孤児院を転々としてきたけど、どこも長くいれなくて。


でも王の目が届く範囲からは抜け出せなかった。