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……こんなに月曜日が怖いと思ったのは初めてだ。

会いたくない。

好きだって気付いたのに会いたくない。

だってこの恋に未来なんかないもの。

明日斗との恋に苦しんだのに、龍を好きになってまた悲しい思いをしなきゃならないなんて私は本当に最悪だ。

……龍は……もう来てるんだろうか。

「美夜」

「っ……!」

ビクッと身体が震えた。

だって中央玄関にたどり着いた途端、龍に腕を掴まれたから。

「な、に」

咄嗟に答えたものの、声が震えた。

「話がある」

嫌だ、嫌だ聞きたくない。

「先輩の事なん、」

「私には関係ない!離して」

振り払おうとしても龍の手は離れない。

「じゃ逆に聞くわ。お前あの時、」

嫌だ、嫌だ!

この時の私は必死だった。

龍がセンパイ彼女と復活した今、私が会いに行ったなんて知られたくなかった。

「石井くんとデートしててちょうどバイバイしたところだったの。……龍も…センパイ彼女と復活したんだね。よかったじゃん」

龍が息を飲むのが分かった。

その態度が図星だと言わんばかりに思えて、私は胸がムカムカした。

「……でもあんな言われ方してヨリを戻せるなんて、ちょっと引くけど」

「……!」

グッと龍の瞳に屈折した光が生まれる。

……傷付けた……!

重苦しい沈黙と、私達の様子をチラ見する生徒たち。

言いすぎたと感じても、もう取り消すことなんて出来ない。

「…こっち向けよ」

龍の低い声、私の腕を掴む熱い手。

「それマジで言ってんの」

「……」

今度は私が息を飲む番だった。

だって恐る恐る見上げた龍が怒っていたから。

「なあ、マジで?」

「そう……だよ」

「じゃあなんで泣いてんの」

その言葉にハッとして瞬きをした途端、私の眼から涙がこぼれ落ちた。

聞かないで、龍。

この涙の訳なんて、龍に言えないの。

「……離してよ」

ゆっくりと、龍が私を離した。

私はそのまま駆け出すと、屋上へと向かった。