イラストを最後まで見せ終えると、陽介君は満足したようにあたしの顔を覗き込んできた。


「ついに、俺の夢が叶う時が来たんだ」


その言葉に、頭の中は真っ白になった。


『俺の夢が叶う時』?


それはつまり、あのイラストみたいな『ムシ女』を作る事ができるということ?


考えて、サッと血の気が引いていくのを感じていた。


呼吸が荒くなり、その場に座っている事も困難になる。


あたしは瓶を両手で強く叩いた。


「出して! お願い、ここから出してよ!!」


そう叫び、何度も何度も瓶を殴りつける。


しかし、瓶はびくともしなかった。


「大丈夫だよ、お前が寝ている間に終わってるから」


雄介君の笑い声が響き渡った……。