それでも、あたしの生活はそのまま一週間が過ぎようとしていた。


高校が再開されてほぼ一週間。


今日も陽介君は制服に着替えて部屋を出て行った。


あたしはぼんやりとその後ろ姿を見送って、大きく息を吐き出した。


体を壁にもたれさせて立ち上がり、両手を伸ばす。


天井は手を伸ばせばあたしの身長でも届くほどの距離だった。


しかし、虫かごの蓋はガッチリとはめ込まれていて、簡単には外す事ができなかった。


中央に虫を入れるスペースがあるが、そこをあけても両手で自分の体を支えて外へ出る事は不可能だった。


なにより、中央で片足立ちをすることが、あたしにはまだ困難を極めることだった。


このままケースの中の生活を続けていれば、いずれあたしは死んでしまうだろう。


足や背中の傷から黴菌が入り、重大な病気にかかる恐れもある。


とにかく体力をつけるため、あたしはできる範囲で運動をすることを心掛けていた。


壁に手を付けて体重を預けながら、片足で少しずつ前に進む練習をした。