暗黒王子と危ない夜



とりまわし、きちい……?
わからない単語に首をひねる。


「重いから、押して歩くのだりいってことな」

「な、なるほど……」


バイクから降りた椎葉くんがあたしの隣に立つ。


「今回は距離が短いから、仕方なく歩いてやるだけだからな」


わざとらしい上から目線でそんなことを言う椎葉くんは、きっと、あたしの気を和らげようとしてくれているんだろう。



「ありがとう、椎葉くん。……あたしに合わせてもらって」

「いーえ。てか、くん、とか付けなくていいぞ」

「やっ、でも」