暗黒王子と危ない夜


あたしが聞こえてないと思ったのか、一度目よりゆっくり大きい声で繰り返してくれる。

だけど、聞こえてないとかじゃ、なくて。



「なんだよ、俺のバイク乗んの嫌か?」

「そ、ういうわけじゃないけど……」

「だったらいいだろ」

「でも……」


だって、クラスメイトとはいえ、椎葉くんとは初めて話したのに。


まるで昔からの友達みたいにとてもフレンドリーに接してくれることに戸惑うし、そもそも……バイクって。



「あたし、乗ったことない、し」

「別に飛ばしたりしねぇから大丈夫だ」


「でも……怖……い、」

「あー、そっか、わかった。でも大型って取り回しきちぃから、のちのち慣れてくれよ?」