ぎこちなくうなずいて背中を見送る。 本多くんの姿は暗闇に紛れてすぐに見えなくなった。 ……『可愛い』ってなに? 本多くんにとっては特になんの意味もなく放った言葉なのかもしれないけれど……。 男の人に襲われそうになったことも忘れて、その言葉が頭の中をぐるぐる回る。 本人が去ってしまったあとも、ぼんやりと誰もいない道路を眺めてしまっていて。 「おーい、意識大丈夫か? そろそろ帰るぞ」