暗黒王子と危ない夜


そんなことを言われても、椎葉くんとは話したこともないし。



「あんた名前は、えーっと」

「あ、相沢ですっ、ええと、よろしくお願いします」


うう……。
やっぱり異性と話すの、苦手だ……。



「なに怖がってんだよ。ひどいことはしねーよ。オンナノコだからな」

「え、あ、ありがとう?」

「はあ、なんかイメージと違うな、あんた」


首を傾げる。

あたしのイメージって?

違うって何が……いい意味で?
それとも悪い意味?


すると、スマホを見ていた本多くんが顔をあげて、くすりと笑う。


「イメージ違うのおれも思った。ほんと、可愛いよね」


どっ…と心臓が跳ねて、

「………、え?」

まともに言葉も出なかった。


「じゃあ、おれもう行くから。“またね”、相沢さん」