手際よく鍵を開けてみせて、身を屈めながら小さな入り口をくぐり、動かなくなったクロを抱きかかえる。
おそらくほとんどのクラスメイトが気持ち悪がって触りもしない死骸を、なんの抵抗もなく、大切に包み込むように。
七瀬がそんなことをするとは思ってなくて、むしろ、潔癖だと思っていて。
そうやってクロを扱ってくれたことが、嬉しくて。
『なんで来たの、』
学校じゃ話さないって言ったの、お前なのに。
声が震えたから、あとの言葉は飲み込んだ。
七瀬はそれには答えず、黙ってクロをこちらに差し出してくる。
『おれ、スコップ取ってくる』
ぽつりとそうこぼして、くるりと背向けた。
『俺が、勝手に埋めていいのかな』
『どういう意味』
『こういうのって先生とか、用務員とかの仕事だろ……』
『るきじゃないとだめ、』
『……は』
『先生も用務員も、うさぎの世話なんてしてた? 一番可愛がってたの、るきだし。このうさぎだってお前に埋めてもらいたいに決まってる』
──なんで
こんな夢を見てるんだろう。
早く、覚めてほしいのに。
あたたかい思い出も、今は苦しいだけだから。



