「あー…そういや!七瀬に何も言わずに出てきたんだったな」
急に明るい口調になり、話題を変えられる。
今までの流れを強引に断ち切るかのよう。
「体調悪くなったからとか、テキトウに言っといてやるよ」
「……うん。ありがとう」
「あと、西高の制服見たらとにかく気をつけろよ。そうじゃなくても、周りに知らないヤツがうろついてたりとかな。何かあったら連絡しろ」
「わかった」
さっきから心配ばかりしてくれる。
気を使わせてしまって申し訳ないけれど、これは三成の素直な優しさだと分かるから安心できる。
「西高だからって全員黒蘭のメンバーってわけじゃねえけど、ちゃんと警戒しろよ。中島がメンバーのリストも作って渡してたろ」
「うん。ありがとう」
「それと、これは覚えとけ」
すると、ふいに真剣な顔つきになり。
「黒蘭の構成員の制服には、決まった刺繍があんだよ」
「刺繍……?」
「蘭の花形を黒糸で縫ってあるんだ。目立つとこに付けてるヤツはあんまいねーけど、襟の裏とか、袖口の裏とかが多いな。体に直接彫ってるヤツもいる」



