「ああ、これな」
自分の耳に指先を当てて、ふわりと笑う。
「俺が初めて開けたやつ。中学んときダチと一目惚れして買った。店で残り1個だったから、お互い片耳ずつ開けたんだよ」
「へえ、半分こでおそろいなんだ。なんかそういうの、いいね……。遠くにいても繋がってるみたいな」
「やめろ、その言い方ふつうにきもい」
そう言いつつも、楽しそう。
本多くんや中島くんと中学は違ったみたいだけど、三成は三成で楽しい学校生活を送っていたみたい。
「つっても、ソイツが今もこれ付けてるかは分かんねぇな」
「会ってないの? 違う高校?」
「ああ。連絡はときどき取ってるけど。あいつ卒業と同時に足洗って髪も黒に戻してたしなぁ。金髪似合ってたのに」
「そうなんだ。……でも、その人きっと今も付けてると思うよ? 大事な思い出だもん」
空を見上げながら、だといいな、と笑った三成。
風が吹いて、綺麗に染まった髪をさらさらと揺らした。
信号は青に変わり、バイクは再び走り出す。



